【考察】
樹脂部品というものは,新品であれば粘りがありますが,20年も経過すれば硬化すると同時に脆くなり,触っただけで破損する場合すらあります.この事例の様に,グリップ側からのワイヤの軸受けになって負荷を受けている部分が樹脂であれば,むしろ破損していて当然と考えなければなりません.特に古い車両を包括的に整備する場合,キャブレータのオーバーホール【overhaul】を実施するのであれば,可能な限りスロットルワイヤも同時に交換する理由はここにあります.なぜならいくら吹け上がりが良くなったとしても,それを操作する部位でロスが生じていては,エンジンの性能を味わい切れないからです.
スロットルケーブルは交換すれば操作を含めレスポンスが良くなるので実感しやすい部位でもあると言えます.そして例のごとく,ケーブルがダメになる頃にはメーカー絶版になっている場合が少なくない為,特に社外品がない車両の場合,車両が古く整備履歴が不明であれば,とにかく新しくしておきたい部位であると言えます.
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