【整備内容】
古いニップルは再使用しないという方向で加工を承ったものですが,
どのみち斜めに曲がってしまったものを再使用することは不可能である為,まずは抜き取りから実施しました.
図2.1は曲がっているニップルを抜き取った様子です.
ニップルの破損は持ち込まれる前にお客様により損傷させられたものであり,
当社で抜き取りを実施した際に傷つけたものではありません.
内部のスプリングやボールも取り出し,ストレート化を実施しました.
図2.2 新品のオーバーサイズのニップルとストレート加工されたハウジング |
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図2.2は新品のオーバーサイズのニップルと,取り外したキャブレータ側のバルブハウジングの様子です.
幸い内部に目立つ歪み等が発生していない為,作業を問題なく進めることができると判断しました.
図2.3 正確に圧入されたオーバーサイズのニップル |
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図2.3は新品のオーバーサイズのニップルをハウジングに圧入した様子です.
ニップル周囲のキャブレータ本体に一切傷を付けずに抜き取り,圧入を実施しました.
画像からも無傷であることを確認することができます.
取り外したニップルを再使用することはナンセンスであるといえ,
正しい知識があればオーバーサイズのニップルを使用しなければならないのは当然のことです.
もしインターネット等の何らかの情報源にて再使用している事例があるとすれば,
それは決して真似をしてはいけない素人整備であることは,
このホームページの熱心な読者であれば理解することができるはずです.
今回の整備ではキャブレータはお客様がご自身で装着されるということから,
新品のオイルホースと割り込ませる形で使用する新品のオイルチェックバルブ,それに抜け止めのクリップをセットで発送し,
すべての作業工程を完了しました. |