【考察】
チェーンスライダーは比較的地味な印象がありますが,その役割は非常に大きく,これがなければスイングアームはすぐに傷だらけになってしまいます.そして車両の総走行距離数を推測することができる最も重要な部品でもあると言えます.それはスライダーを交換するには基本的にスイングアームを外す必要がある為,スライダーは最も交換頻度の低い部品として位置する為です.
今回の事例ではボルト部を残し,スライダーが脱落してなくなっていました.材質がゴムであることから,車両に乗ろうが乗るまいが,時間が経過するごとに材料が脆くなっていきます.特に上下の連結が細いスライダーの場合,数年で亀裂が入り,千切れたり紛失したりします.わずかでもチェーンとの接触部にゴムが残っていれば致命傷は避けられますが,全くスライダーがない場合,みるみるスイングアームが削れ,チェーン側もダメージを受けます.したがって本来スライダーは常に良好な状態を維持しなければなりません.しかしながら交換が容易でない為,実際には放置されるケースが多いと言えます.したがって,もしスイングアーム等リヤ廻りを整備する機会があり新品の部品供給が確保されているのであれば,迷わず新品に交換しておきたい部品であると言えます. |
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