図1.1はエンジンの圧縮圧力を測定している様子です.950kPaと良好な数値が測定された為,力強い加速が期待でき,整備を進めることに決めました.
エンジンがかからない場合,その根源である圧縮圧力を把握しておく必要があります.というのは,エンジンの圧縮がなければ
➀ エンジンを修理する
② エンジンを載せ替える
③ 別のバイクに乗り換える
という選択肢を迫られ,そのどれもが費用が多くかかるからです.それをあいまいなままキャブだろうと邪推して作業を進めた場合,もし悪の根源がエンジンであればいっこうに症状は改善されず,作業そのものが無意味になるからです.それは心臓手術が必要な患者を誤診して脳を切開するのと同じくらい愚かなことです.したがってメガスピードでは不動車再生のご依頼で素性の分からないものに対しては必ず圧縮圧力を測定しています.
もっとも,②のエンジンを載せ替える,にしても③の別のバイクに乗り換える,にしても,それぞれ新品あるいは新車でない限りは点検が必要になり,それを怠れば同じことの繰り返しになることは明らかです. |