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事例:S-105

ブレーキレバー端部の折れと継続検査(車検)について

【整備車両】 
 CB1300DCW (SC38) X4  年式:1998年  参考走行距離:約34,500 km
【不具合の状態】 
 ブレーキレバー端部が折れて鋭くなっていました.
【点検結果】 
 この車両はメガスピードにて法定定期点検および継続検査の実施を承ったものです.クラッチマスターシリンダにヘドロが堆積していた ※1 り様々な不具合が発生していましたが,今回はお預かり時にフロントブレーキレバーの端部が折れていた為,その対応について記載します.

図1.1 端部の折れているブレーキレバー
 図1.1は端部の折れている社外のブレーキレバーの様子です.この状態では検査員から 「鋭い突起物」 と見なされる可能性が非常に高く,実際にかなり危険な状態であると言えます.また端部より少し内側に短くなっていることに加え,押さえがない為,ブレーキ操作時に指が脱落しやすくなっていました.


【整備内容】
 
折れていたブレーキレバーを純正新品に交換し,同時に不具合のあったブレーキストップランプスイッチの整備 ※2 を実施しました.

図2.1 新品の純正ブレーキレバー
 図2.1はホンダ純正の新品のブレーキレバーの様子です.取り外した社外品は一部中空になっていますが,純正ではこの様に肉厚があり丈夫な造りになっています.

図2.2 ハンドルに取り付けられた新品のブレーキレバー
 図2.2は新品のブレーキレバーをハンドルに取り付けた様子です.これにより突起部で怪我をする危険性がなくなり,かつ端部が丸く盛り上がっていることにより右手がブレーキ操作時にレバーから脱落しない安心感も得ることができました.


【考察】 
 ブレーキレバーやクラッチレバーは,特に社外品の場合,予め端部より内側に切れ込みが入れてあり,転倒時等に外部から力を受けた際,その部位で折れて損傷を最小限に抑えるような形状になっています.逆に純正ではある程度の強度を確保している為,折れずに曲がることが多いのは,立ちごけをしたバイクを見れば明らかです.

 保安基準に 「鋭い突起物は危険である」 という解釈がある為,ブレーキレバーの端部が折れて尖ったままでは適合しない可能性が非常に高いと言えます.認証工場の立場としても,検査前の定期点検時に状況を改善しておきたかったので,今回は新品に交換しました.やはり確実な操作ができるようにするためにも,損傷したブレーキレバーは可能な限り迅速に対処しておくことが必要であると言えます.


※1 クラッチマスターシリンダリザーバタンクに堆積したヘドロとフルード交換について
※2 無理に補修されたスイッチの故障によるフロントブレーキストップランプの点灯不良について





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