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事例:E-249

経年劣化した燃料コックからのガソリン漏れについて

【整備車両】 
 ZEPHYR (ゼファー) (ZR400C) ZR400-C4  年式:1992年  参考走行距離:約15,500 km
【不具合の状態】 
 燃料コックからガソリンが漏れ出している状態でした.
【点検結果】 
 この車両はブレーキ系統の不具合が発生しているということでメガスピードにて整備を承ったものです.ブレーキホースのカシメ部に亀裂が発生していた ※1 等の不具合がありましたが,今回の事例ではガソリン漏れの発生していた燃料コックについて記載します.

図1.1 ガソリンの付着しているインシュレータ
 図1.1は燃料コック本体からガソリンが漏れている様子です.インシュレータに落下して垂れていることが分かります.このままでは車両火災の危険性があり安心して乗ることができません.

図1.2 変色したガソリンまみれのコック
 図1.2は取り外した燃料漏れしているコックの様子です.全体的に漏れたガソリンが変色している為,漏れの発生部は特定することができませんが,修理するのではなく新品の供給がある為,迷わず新品に交換する運びとなりました.


【整備内容】
 燃料コックおよび取り付けボルトとそのガスケットを新品に交換しました.

図2.1 新品の燃料コック
 図2.1は新品の燃料コックの様子です.フィルタもセットである為,同時にフィルタも新品に交換されます.

図2.2 タンクに取り付けられたコック
 図2.2は燃料コックをタンクに取り付けた様子です.ガスケットは当然新品にしなければなりませんが,見た目の問題からボルトも新品に交換しました.やはりコックが光っているのであれば,ボルトも再使用ではなく光沢のある新品を使用したいものです.

図2.3 整備の完了したコック廻り
 図2.3は整備の完了したコック廻りの様子です.燃料漏れがないことを確認して整備を完了しました.


【考察】 
 燃料コック外観がこげ茶色に汚れている場合,それはコックからにじみ出したガソリンが変色したものであると疑うのが自然です.そしてその場合,周囲に漏れた形跡がないか調べる必要があります.というのは,にじむ程度であれば直ちに影響はないと言えるかもしれませんが,ガソリンが漏れて滴っていた場合,それは車両火災の原因になる為,発見次第いち早く対策しなければならないからです.
 今回の事例では燃料コックのにじみが見られた為,周囲をよく見るとインシュレータにガソリンが垂れた形跡がありました.実際にインシュレータ最下部でしずくになっていたので非常に危険な状態であったと言えます.燃料コックが絶版であれば何らかの策が必要になりますが,今回の様に新品の供給があるのであれば,何一つ迷うことなく即新品に交換しておくことが望ましいと言えます.


※1 社外ブレーキホースカシメ部の亀裂と液漏れの危険性について




















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