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事例:D-70

根元から千切れたウインカーについて

【整備車両】 
 GSX-R750X (GR7DA) 年式:1999年 参考走行距離:約12,300 km
【不具合の状態】 
 左前のウインカーが付け根からもげて垂れ下がっている状態でした。
【点検結果】 
 この車両はお客様より継続検査(車検)および定期点検整備等のご依頼を承ったものです。燃料ポンプ付け根からガソリンが漏れていたり ※1、経年劣化している部位の修理がありましたが、今回の事例では不具合のあるウインカーについて記載します。

図1.1 付け根からもげているウインカー
 図1.1 は左前のウインカーの様子です。付け根からもげて垂れ下がっていました。

図1.2 ウインカー取り付け部内側
 図1.2 はもげてしまっていたウインカーの取り付け部の様子です。サイドカウル内側から本体を固定するようになっていますが、内側にはちぎれて残ったゴムだけが固定されている状態でした。


【整備内容】
 ウインカーを支えるにはゴムによる修正では耐え切れないことや、お客様のご希望により新品に交換しました。

図2.1 新品のウインカー
 図2.1 は新品のウインカーの様子です。図の様に取り付け部は薄く、過酷な条件下にあることが分かります。

図2.2 カウルに取り付けられた新品のウインカー
 図2.2 は新品のウインカーをプレートを介してサイドカウルに取り付けた様子です。

図2.3 正常に点滅している新品のウインカー
 図2.3 は交換した新品のウインカーの動作を確認している様子です。正常に点滅していることを確認して整備を完了しました。


【考察】
 ウインカーの取り付け部がゴムの場合、発売から20年程度経過している中古車は、ウインカーが垂れているか千切れている場合が少なくありません。スズキの車両に多く見られる印象がありますが、どのメーカーでも取り付け部がゴムであれば、20年程度経過すればこの事例の様に付け根からもげるという症状に陥ります。
 また立ちゴケなどをしてウインカーがぽっきりいってしまう事も少なくない為、今回の事例にしてもどちらが原因かを断定することはできません。しかしともに言えるのは、ダメージを受ければ一番弱い付け根がやられるということです。

 今回の事例では新品が入手できたことにより、純正の見慣れた美しい外観を再現することができました。しかし、もし絶版であれば社外品・汎用品を使用して対処する必要があります。好みの問題にもなりますが、純正の形状にこだわる場合は、絶版になる前にウインカーはひとセット予備に確保・保管していると良いと言えます。それほどウインカーは外側に突出している破損しやすい部品なのです。



※1 パッキンの劣化によるインタンク式燃料ポンプ取り付け部からのガソリン漏れについて





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