【考察】
排気量が大きくなると車重も重くなることから,特に車両を持ち上げなければならないフロント廻りの整備がおろそかになりがちです.特にステムベアリングは車枠を支持しなければならない為,その整備頻度が著しく悪い部位であると言え,手入れがされていない車両の多くは錆が発生したり打痕を生じたりしていて,操作感が完全にスポイルされているケースが多く見られます.しかし重量のある大排気量の車両こそ負荷のかかるステムベアリング類は尚一層の点検整備が求められると言え,理想と現実の乖離が見られる特徴的な部位と位置付けられます.特に旗艦であるモデルなら高速時の直進安定性が求められる為,それに応じた足廻りやハンドリングを維持すべきであるのは今更述べるまでもないことです.そしてステムベアリングの交換時期は,やはり走行距離と経年を考慮しなければならず,その頃にはスイングアームのピボット部等のベアリングも同等の状態に劣化していると言え,同時に包括的にリフレッシュしておくことが大切です.
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