トップページ故障や不具合の修理事例【二輪自動車】 車体関係の故障、不具合、修理、整備の事例 (事例:111~120)


事例:S-111

使用や経年劣化により後部からめくれ上がったシート表皮について

【整備車両】 
 Today (AF61) トゥデイ  推定年式 ―  参考走行距離:約2,300km+メーター1周以上(推定)
【不具合の状態】 
 シートの表皮が後部からめくれていて座りづらい状態でした.
【点検結果】 
  この車両は走行していたもののエンジンがかからなくなったということでメガスピードにて整備を実施したものです.ダストブーツが破れていた ※1 り,各部にヤレやヨレが見られましたが,今回の事例ではシートの不具合について記載します.

図1.1 後部表皮のめくれ上がったシート
 図1.1はシートの状態ですが,後部の表皮がめくれ上がってスポンジが露出していました.この状態では乗りづらいだけでなく,見た目も非常に貧相であり気がかりです.


【整備内容】
 社外の新品のベースと表皮のセットに交換しました.



図2.1 新品のシートASSY
 図2.1は社外の新品のシートASSYの様子です.ベース,表皮,留め具の3点がセットになっています.

図2.2 シート留め金具の比較
 図2.2は取り外した純正のシート留め金具(左)と社外のシートASSYに含まれていた金具を比較したものです.若干社外品の方が太く,形状も少し違いました.

図2.3 留め金具先端
 図2.3は社外の留め金具の先端(左)と純正の留め金具の先端を比較した様子です.社外の留め金具の先端は少し外側にめくれ上がっていて,シートを取り付ける際に穴にわずかに引っ掛かる状態でした.
 それに対し右側の純正品は径の精度が端部まで正確に保たれていることや,赤円で囲んだ部位に見られるように端部のエッジが面取りされていることにより,スムーズにシート取り付け部に差し込むことが可能でした.

図2.4 シート取り付け部
 図2.4は新品のシートASSYを取り付けた金具の部分です.全体の色が黒色であることや,留め具の形状を考慮して,取り外した純正の金具を清掃・グリスアップして再使用しました.図の様に黒色なので雰囲気を損ねることなく周囲と一体化していることが分かります.

図2.5 新品の社外シートに交換された車両
 図2.5は新品の社外シートを取り付けフタをした車両外観の様子です.図1.1のめくれたシートと比較すれば明らかですが,シートが新品になることにより車両全体の印象がパリッとした美しいものにガラリと変わります.シートがめくれた時のスポンジの黄色は目立ちますし,外観の点だけでもそのまま乗り続けるのには心理的抵抗があります.
 やはりシートはライダーの身を預ける最も重要な部位のひとつですから,常に美しくありたいものです.


【考察】 
 めくれたり破れたりしたシートを元に戻す場合には大きく2つの選択肢があります.ひとつはシートを丸ごと新品に交換してしまう方法.もう一つはシートの表皮を張り替える方法です.今回の事例ではシートを丸ごと新品に交換する方法をとりました.
 一番の理由は,費用です.社外品の場合,3,000円弱で新品を入手することが可能です.表皮を張り替える手間や材料費,仕上がり,その他を加味すると,やはり社外の新品に軍配が上がります.AF61ではこの事例の様にシートがめくれてスポンジが露出している事例が多々見受けられます.そしてそれが社外品が商品として生産されている理由にもなります.
 原付スクーターといった新車でも車両本体価格が10万円程度の車種であれば,修理部品に費用をかけることが難しいのが実情です.整備料金についても,特に修理対象が原付であると,整備費用が容易に中古スクーター価格を超えるといった逆転現象に陥る為,お客様の熱意がなければ承ることが難しいカテゴリーであると言えます.
 確かにスクーターは下駄代わりです.それが商品として大きな用途のひとつであることは疑いの余地がありません.下駄は履きつぶしてナンボの世界かもしれません.この事例でも,我慢すればシートはこのまま使用可能です.しかし私だったらシートが破れたままのスクーターに乗るのは嫌です.例え下駄でもできるだけ綺麗な下駄を履いてお出かけしたい.私はそういう種類です.ですので,同じような種類のお客様にはできるだけ車両を美しくしてお渡ししたいと思うのです.


※1 ダストブーツの破れによる防塵性能低下と見た目のまずさについて





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