【不具合の状態】
特に不具合はありませんが,部品が古くなっていたことから包括的にリフレッシュしました. |
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図1.1 リヤマスターシリンダから接続されているリヤブレーキホース |
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図1.1 はリヤマスターシリンダから伸びているブレーキホースの様子です.機能は問題ないものの,すでに交換推奨時期を過ぎている状態でした. |
図1.2 リヤマスターシリンダとキャリパ間を接続しているブレーキホース |
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図1.2 はリヤマスターシリンダとキャリパ間の様子です.純正のブレーキホースはクランプ部のゴムがホースにASSYとして組み付けられています.クランプが2か所あることから,これを利用した形を目指します. |
図1.3 リヤキャリパに接続されているブレーキホース |
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図1.3 はリヤキャリパに接続されているブレーキホースの様子です.常に手入れしていた為,清潔でサッパリしています.しかし今回はパッド交換とセットでキャリパのオーバーホール(分解整備・精密検査)も同時に実施します. |
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【整備内容】
純正のブレーキホースをPLOT製のSWAGE-LINE(スウェッジライン)に交換しました. |
図2.1 新品の社外ブレーキホースおよびアダプタとボルト |
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図2.1 はPLOT製SWAGE-LINEの新品のGW71Aリヤブレーキ用のホースキットの様子です.メッシュホース,アルミメッキのボルトおよびアタッチメントといった部品をアルミメッキで統一しました.またクラッシュワッシャはそれに合わせてキットに同梱されている銅からアルミに変更しました.
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図2.2 リヤマスターシリンダに接続された社外のブレーキホース |
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図2.2 はリヤマスターシリンダに取り付けたブレーキホースの様子です.アタッチメントおよびボルトはアルミメッキで統一し,落ち着いた大人のイメージにしました.もちろんアダプターにストッパーがあるわけではないので,予め取り付け角度はサービスマニュアルの指示を目安に決定します. |
図2.3 車体に組み付けられた社外のブレーキホース |
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図2.3 はオーバーホールの完了したリヤブレーキマスターシリンダを車体に取り付けた様子です.一旦画像右側にホースが向かい,大きな弧を描きながら180度方向転換してリヤキャリパ側に向かいます.車体に対するスイングアームの動きはこの部位で吸収する形になります. |
図2.4 2個所でクランプされた新品の社外ブレーキホース |
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図2.4 はマスターシリンダとキャリパの間の様子です.ホースクランプが2か所設置されている為,そこに合うようにPLOTのラバーを使用しました.見た目も美しく仕上がっています. |
図2.5 キャリパに接続された新品の社外ブレーキホース |
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図2.5 はキャリパ側に接続されたブレーキホースの様子です.やはり色は個人的な好みによりアルミメッキで統一しました.リヤブレーキキャリパも分解整備してある為,周囲が非常に美しくサッパリしていることが分かります.実際に50km程試運転をする中でパッドの当たりを出し,制動力が以前より増したことを確認して整備を完了しました. |
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【考察】
ブレーキホースは液漏れが発生しない限り,新車発売当時のものが取り付けられている車両が少なくありません.純正品は接続部が正確にカシメられている上,アタッチメントに鉄をしていることから強固です.したがって,自ら性能あるいは雰囲気を変更する為に社外ホースに換えない限りは,中々整備する機会がない部位であると言えます.そして発売から数十年も経過すれば,欲しい時には絶版になっている為,否応なしに社外品で対応することになります.
メガスピードではPLOT製の「SWAGE-LINE」を長年利用している為,オーナーによる特別なご指示がなければ通常は「SWAGE-LINE」で対応します.メーカーでカシメ部位が製造されてくることから信頼性が高いだけでなく,色や長さといった好みの部位まで指定できること,アタッチメント等のパーツが豊富なことがその理由です.多々ある社外ホースの中でも形状が個人的に好きであることも加えておかなければなりません.
今回の整備では不具合は発生していないものの,すでに部品が古くなっていた為,リヤ廻り一式整備を実施しました.また私の好みでボルトとアタッチメントにはアルミメッキを使用しました.GSX1300R
(GW71A) ハヤブサのフルカウルは形状も独特ですが,隼といった漢字がロゴになっていたり,外装だけでもかなり派手です.したがって,それ以外の部位でもカラフルにすると全体的にウルサイ印象になる恐れがある為,静かに光るアルミメッキを選択しました.ではなぜブラックを選択しなかったのかと言えば,単に光モノが好きだからです.この辺りは個人の好みの問題なので,ご依頼を承った場合は,オーナーのご要望に応じて色を選択させていただきます.
ブレーキホースは消耗品です.したがって中古車を入手した場合は例え社外のメッシュホースに交換されていたとしても,いつそれが交換されたのかが分からなければ一度リフレッシュしておくことが大切です.また一般的に多くの中古車はホースが当時もののままの場合が多くみられる為,少なくとも発売から20年も経過していれば,安全を考慮して不具合が発生する前に交換しておくことが望ましいと言えます. |
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