事例:E‐93
経年劣化によるスパークプラグキャップシールゴムの破損について |
【整備車両】
RG250EW (GJ21A) RG250Γ(ガンマ) 推定年式:1983年 参考走行距離:18,600km |
【不具合の状態】
プラグキャップのシールゴムが破損し防塵・防水機能が低下している状態でした. |
【点検結果】
この車両は個人売買で入手されたお客様のご依頼によりメガスピードにて各所分解整備を承ったものです.
点検の中でスパークプラグキャップとハイテンションコードの接続部をシールするゴムが破損していることに気がつきました.
図1.1はシールの破損しているプラグキャップの様子です.
このシールはハイテンションコードとプラグキャップの接続部に水やゴミが入るのを防ぐ役割がありますが,
経年によりゴムが千切れてボロボロになっていた為,密封性能が低下していると判断しました. |
【整備内容】
シールゴムは純正で部品供給があるものの,同時に交換のご希望のあったプラグキャップはすでに絶版である為,
NGKのプラグキャップASSYを使用することにしました.
図2,1 NGKプラグキャップセット【LB05E】 |
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図2.1はNGKのプラグキャップセット【LB05E】の様子です.
それぞれAはターミナルシール,Bはキャップボディ,Cはウォータープルーフキャップすなわち防水シールです.
純正ではスパークプラグへの取り付け部端子はカラーのない設定になっていますが,
今回は整備性を向上させる為,カラーを外さなくても良いプラグキャップを選定しました.
図2,2 ハイテンションコードに取り付けられたプラグキャップ及びシール |
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図2.2はハイテンションコードにプラグキャップ及びシールゴムを取り付けた様子です.
新品のゴムは質も柔らかく,これにより今後長期にわたり防塵・防水性能の維持が期待できます. |
【考察】
この車両は雨天走行時には比較的プラグキャップに雨水を受けやすい構造になっていますが,
例えフルカウルで異物の入りづらい構造であっても,発売から20年30年経過した車両であれば,
可能な限り交換しておきたいものであり,特に屋外で保管されていたものであれば,
ゴム部は触っただけで千切れてしまう程に著しく劣化しているものも珍しくはありません.
シールゴムそのものは小さな部品ですが,漏電や絶縁不良等は火花の弱る直接的な原因に結び付きます.
やはりスパークプラグも含めて,プラグキャップやシールゴム,
ハイテンションコードの状態も定期的に点検されることが望ましいといえます.
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