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事例:E‐3
スパークプラグ取り付け部の砂利の堆積によるエンジン破損の危険性について 


【整備車両】

 FZ250R (1HX)  推定年式:1985年  参考走行距離:約11,500km


【点検】

 この車両は個人売買で購入されたお客様がメガスピードに点検をご依頼されたものです.

スパークプラグ廻りを点検したところ,4気筒ともプラグ取り付け溝に砂利や塵等が堆積していました.



図1.1 3番シリンダプラグ溝付近に堆積した砂利や塵

 図1.1は3番シリンダのプラグ溝周囲に砂利が溜まっている様子です.

砂利の堆積具合やプラグ金属部の錆び具合を見ると,

かなり長期間プラグ交換や清掃等の整備が行われていなかったと考えられます.

取り外したスパークプラグはガスケットの上まで錆びて腐食していたものの,

ねじ山から下は少し色が変色している程度でした.

このことから外部から侵入した水分はプラグガスケット部分でかなりシールされており,

シリンダ内部には重大な損傷をもたらすほどの量は落下していないと推測できます.



【整備内容】

 アダスターを利用した清掃及び集塵機による砂利等の吸引により完全に砂利等を取り除いてから,

慎重に3番シリンダのスパークプラグを取り外しました.



図2.1 点検清掃の完了した3番シリンダプラグ取り付け溝

 図2.1は点検清掃・洗浄を行ったスパークプラグホールの様子です.

プラグのシートやホールは多少錆で変色しているものの腐食による崩れ等はなかったので,

使用するには問題ないレベルにまで清掃し新品のプラグを取り付けました.



【考察】

 スパークプラグ廻りの点検整備で一番気をつけなければならないのは,

プラグを脱着する際に、プラグホールにその周囲に堆積していた細かな塵等を内部に落下させないことです.

特にDOHC多気筒エンジンのヘッドはプラグ取り付け位置がヘッド内部に潜っているため、手が入りづらかったり,

状態を目視確認するのが困難である場合が少なくありません.

プラグ溝付近の砂利や塵等がわずかな量でもエンジンに落下すれば、吸排気バルブ及びそのシートに挟まり,

圧縮は限りなく0近くまで下り,エンジンヘッド廻りの分解整備が必要になります.

その様な事態に陥らない為にもスパークプラグを取り外す際は必ず周囲をクリーンな状態にしておくことが求められます.

 スパークプラグ溝付近に水抜き(排水路)が設計されているシリンダヘッドの場合,

その周囲に砂利や塵等が堆積すると抜け道をふさぎ,水分を蓄積しその周囲を腐食させる原因になります.

それを避けるためにもプラグ取り付け部は常にきれいな状態に保つ必要があります.

スパークプラグ廻りは点火系統の最も重要且つ日常的な整備箇所です.

2サイクルエンジンや,4サイクル単気筒OHC等のエンジンの様にプラグ溝が外部から良く確認出来る場合も含め,

ただ安易にプラグ交換等の整備するのではなく,この事例に見られるように砂利等が堆積している場合を常に想定し,

慎重に作業を行わければなりません.

 メガスピードでは慎重なスパークプラグの取り外しはもとより,締め付けの際にも規定トルクを厳守し,

シリンダヘッドが傷まないように細心の注意を払い整備を行うことにより安心をお届けしております.





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