【点検結果】
この車両は長期保管中にエンジンがかからなくなり,メガスピードにて再生のご依頼を承ったものです.リングが硬化していたり,エアフィルタが劣化していたり,フロントブレーキが引きずっていたり,様々な不具合が発生していましたが,今回の事例では衰損していたオイルチェックバルブについて記載します. |
図1.1 2ストオイルがあふれ出している1番シリンダキャブレータ |
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図1.1 は点検の為エアパイプを取り外したところ,1番キャブレータの口から緑の液体が噴き出てきた様子です.エアパイプ内部にも液体が確認でき,液体の正体は2サイクルエンジンオイルに他なりません.毎回おなじみの症状ですが,こうなるとキャブレータの中身も,おなじみの結果が懸念されます. |
図1.2 2ストオイルで満たされたフロートチャンバおよびボデー |
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図1.2 は懸念通りフロートチャンバ内部にあるはずのガソリンがすべて2サイクルエンジンオイルで置換されている様子です.各ジェットやフロートもオイルまみれになっています.これでは絶対にエンジンをかけることはできません.
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図1.3 オイルチェックバルブの抜き取られたハウジング |
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図1.3 はオイルチェックバルブの抜き取られたハウジングの様子です.まったく傷をつけることなく抜き取りに成功しています.再度オーバーサイズのニップルを圧入する為にも,可能な限り接続部を含め傷をつけずに抜き取らなければなりません. |
図1.4 不具合の発生していたオイルチェックバルブ |
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図1.4 は不具合の発生していたオイルチェックバルブの様子です.新品の基準が不明な点や,目視では確認できない傷等がある為,物理的な漏れの原因は究明できませんが,結果的にオイルラインを密封できなかったことが今回の不具合の直接の原因になります.
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