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事例:E-228

エアクリーナボックス下部に堆積した雨水について

【整備車両】 
  VS400FR (VK51A) Intruder(イントルーダー)400  年式:1994年  参考走行距離:約22,800 km
【点検結果】 
 この車両は半年前にお客様が個人売買で購入されたものです.走行中にヘッドライトやウインカーに異常が発生してきた
※1 ということでメガスピードにて点検整備を実施しました.今回の事例ではエアクリーナボックスに堆積していた雨水について記載します.

図1.1 水とガソリンの混合物
 図1.1は点検の為にリヤバンクのエアクリーナボックスからエレメントを取り外した状態です.茶色い液体と黄緑色の液体が沈殿していました.互いに混ざらないことから,キャブレータから吹き返してきたガソリンと何らかの原因で侵入した水であると考えられます.
 後日お客様に状況を説明したところ,どうやらバイクシートをかぶせ忘れたときに雨が降ったことがあったということでした.したがって,水は雨水であると推測されます.


【整備内容】
 エレメントは上部に位置していますが,万が一吸い込んだ場合はエンジンが停止したりプラグが被る可能性がある為,可能な限り清掃しました.

図2.1 清掃されたエアクリーナボックス底部
 図2.1は清掃したリヤバンクエアクリーナボックス内部の様子です.これによりエンジンが水を吸う可能性を排除しました.気分的にもドロドロの水と油の混合物がなくなったことでスッキリ気持ち良く乗ることができる様になりました.

図2.2 エレメントの取り付けられたエアクリーナボックス
 図2.2は清掃したエアクリーナエレメントをボックスに取り付けた様子です.エレメント自体は比較的きれいな状態でしたので,今回は清掃で十分対応が可能でした.


【考察】 
 この車両のリヤバンク側エアクリーナボックスは空気の取り入れ口が鉛直上向きに設計されている為,サイドカバーがあることを考慮しても雨風の侵入には弱いと言えます.今回の事例ではお客様がバイクシートをかけ忘れたときに雨に降られたと言われていたので,おそらくそれがエアクリーナボックス下部に水が浸入した原因であると推測されます.エレメント底部が金属板になっている為,実際には堆積している水とガソリンの混合物をエンジンが吸い上げる可能性は低いと言えます.しかし吸気部は常に清潔にしておくことが求められることからも,定期的に内部を確認し,必要に応じて清掃しておくことが大切です.


※1 レギュレータの故障による不安定なヘッドライトの点灯状態について





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