【整備内容】
ギヤシフトインジケーターを取り付けたいというお客様のご依頼により,メガスピードにて取り付けおよびセットアップを実施しました. |
図1.1 はお客様にお持ち込みいただいたゼファー用のギヤシフトインジケータのキットの様子です.もちろん社外品ですが,ゼファーの電装回路にはギヤポジションを出力している部位が無い為,ディスクローターからパルスを拾うタイプになっています.
|
図1.3 フロント周りに設置されたパルスジェネレータ |
|
図1.3 はフロント周りに設置したパルスジェネレータの様子です.ディスクに取り付けた各マグネットがパルスジェネレータを通過することにより物理的に発生した交流信号を利用しています.部品取り付け後は各ギヤが正確にインジケーターに表示されるようセットアップを行いました.
|
図1.4 はエンジンをかけて1速(ローギヤ)に入れた様子です.クラッチレバーを握って停止している状態です.インジケーターは1を示しています.セットアップ後に試運転を実施し,きちんと稼働していることを確認して整備を完了しました. |
|
【考察】
今でこそ標準装備でギヤシフトインジケーターが備えられている車種が増えましたが,少なくともこの車両の様な90年代前半に作られたものには存在しません.もっとも,無ければ無いで良いものかもしれませんが,いざ取り付けてみると中々面白いものです.一般の4輪自動車であれば上下左右にシフトパターンが分かれている為,5速マニュアルであれば,まず6速に入れることはありません.しかしバイクの場合,その多くがニュートラルを中心に1ダウン5アップなので,どうしても途中で何速になっているか分からなくなる状況があります.実際には6速に入っているのに更にシフトアップしようとしたものの,硬くて何も動かない(機械的にはシフトカムの溝が行き止まりになっている)といった経験は誰にでもあるかと思います.つまり幻の7速に入れようとしてしまったわけです.別段何も不具合は起こりませんが,何となく恥ずかしい感じがするかもしれません.
それを回避できるのがギヤシフトインジケーターです.もちろん他にもメリットはありますが,やはりシフトミスを防ぐことが目的だと言っても過言ではありません.今回取り付けたキットはフロントからパルスを拾ってギヤ表示につなげるタイプですが,もともとECU等にギヤポジションが入力されるタイプの車両であれば,そこから信号を拾うタイプのインジケーターも存在します.このキットの場合は車速とエンジン回転速度等から現在のギヤポジションを推測表示しているので,汎用性があると言えます.
2008年の排ガス規制以降のモデルは急速に電子化が進んだため,ギヤポジション表示は目新しいことではありませんが,少なくともそれ以前のモデルに取り付けた場合,ある種のインパクトがあることは,乗ればすぐに分かります.どうしても必要なものではありませんが,あればあったで面白いアイテムのひとつであることは間違いありません. |
|
|