事例:D‐41
オイルレベルスイッチ配線の破損と剥き出しのギボシ端子について |
【整備車両】
RG250EW (GJ21A) RG250Γ(ガンマ) 1型 推定年式:1983年 (参考)走行距離:約9,200km |
【不具合の状態】
オイルレベルスイッチの配線被覆が破損し,電源側の銅線が露出していました. |
【点検結果】
この車両はエンジンの吹け上がりに引っ掛かりのある回転域が存在する ※1 という不具合を改善すべく,
メガスピードにて整備を承ったものです.
ここではオイル廻りの整備一式を実施した際に発見したオイルレベルスイッチの不具合について記載します.
図1.1は配線に不具合のあるオイルレベルスイッチの様子です.
黄色の矢印で示した部位の被覆が破れていました.
図1.2は図1.1の黄色の矢印で示した部位を拡大した様子です.
スイッチに接続されるプラス側の被覆が破れていて,内部の銅線が露出していました.
当時の設計ではプラス側とマイナス側の配線が付け根で接触しているため,
マイナス側も同様に内部の銅線が露出した場合に短絡の可能性が非常に高くなります.
例えオイルランプという抵抗が上流に存在していても,線間での短絡は避けねばならず,
特にこのスイッチには常時電源電圧がかかっていることから,
万が一電源が開放された配線外部で短絡した場合の危険性は,
燃料タンクの真下に位置することからも非常に大きいことは容易に想像することができます. |
【整備内容】
なるほど確かに破損部が小さいことから何らかの絶縁体を巻くことで対応できるともいえますが,
新品の部品供給があるため,その他の部分の性能回復を考慮すれば,交換しない手はありません.
図2.1は新品のオイルレベルスイッチの様子です.
青色の丸で囲んだ部分はギボシ端子ですが,このままハーネス側の配線に接続するとメス側端子の被覆で覆い切れず,
最悪の場合短絡するおそれがあるため,対策しなければなりません.
図2.2 オイルタンクに取り付けられた新品のオイルレベルスイッチース下部 |
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図2.2はオイルタンクに取り付けられた新品のオイルレベルスイッチの様子です.
図1.2の取り外した当時のオイルレベルスイッチと比較すれば明らかですが,同じ品番で部品を取り寄せても,
入荷される新品は電源すなわちプラス側とマイナス側の配線の付け根が数ミリ離れています.
これは万が一付け根の被覆が破損し内部の銅線が露出しても,
容易に線間で短絡しないようにスペースを設けて設置したと考えるのが自然であり,
いわば改良された部品であるととらえることができます.
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