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事例:D-50

バルブの紛失によるウインカーインジケータの点滅不良について

【整備車両】 
 R1-Z (3XC) 3XC1  推定年式:1991年  参考走行距離:約15,200 km
【不具合の状態】 
 メーターのウインカーインジケータが点滅しない状態でした.
【点検結果】 
   この車両はメガスピードで整備を承る前に他店でヘッドガスケットおよびピストンリングを交換したとされるものです.当社で点検したところリザーバタンクには全く冷却水が入っておらず,ラジエータにもキャップ口元付近は冷却水が無い状態でした ※1 これではオーバーヒートに陥る危険性があります.その他各部に異常が見られましたが,今回の事例では,点滅しないウインカーインジケータについて記載します.

図1.1 バルブの入っていないウインカーインジケータソケット
 図1.1はウインカーインジケータバルブの状態確認する為,メーターからバルブソケットを取り外した様子です.何と驚くことにバルブ自体が紛失していて存在しませんでした.これではランプが点滅するはずがありません.


【整備内容】
 ウインカーインジケータのソケットに新品のバルブを取り付けました.また同時に電球の切れていたタコメータの照明を含め,メーター内部のバルブをすべて新品に交換しました.

図2.1 バルブの点滅確認
 図2.1はウインカーのインジケータバルブがウインカーとシンクロして点滅するか確認している様子です.きちんとインジケータランプが周期的に点滅していることから,ソケットまでは正常であることが確認できます.

図2.2 点滅しているウインカーインジケータ
 図2.2はウインカーのインジケータが正確に点滅している様子です.これにより右左折および車線変更といったウインカーを点滅させる際に,インジケータにより容易にその動作を確認することができるようになりました.


【考察】 
 インジケータの中でも,ニュートラルスイッチに次いでウインカーのインジケータは良く確認する部位であり,それほど重要であると言えます.特にバイクのウインカーはスイッチにより点滅させた後,用が済めばライダーは自分でウインカーを消灯させなければなりません.
 ライダーは人間ですから,当然その消し忘れがある一定の確率で発生します.右左折あるいは車線変更してから直進している最中にずっとウインカーが点滅し続けている様子は,後ろから見ていて格好の良いものではありません.したがってその様な事態に陥ることを防ぐためにも,インジケータを適宜チェックすることが大切です.
 そしてそのインジケータから情報を正確に得る為にも,やはり古い車両であれば一度インジケータを含めたメーター内部のバルブをすべて新品に交換しておくことが望ましいと言えます.特に1つでも不具合があれば,他のバルブも同じ様に疲れていると考えなければなりませんし,実際にこの事例でもタコメータの照明バルブが切れていたことから,包括的な整備の重要性を理解できるはずです.


※1 空になったリザーバタンクとラジエータ内の冷却水不足によるオーバーヒートの危険性について 





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