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事例:D-44

ウインカースイッチの動作が鈍く,表示の色褪せしている左ハンドルスイッチについて

【整備車両】 
 RG400EW-2W (HK31A) RG400Γ(ガンマ) 2型  年式:1987年  参考走行距離:約23,500 km
【不具合の状態】 
 ウインカースイッチの動きが渋い状態でした.また表示文字が色褪せしている状態でした.
【点検結果】 
 この車両はメガスピードで不具合の整備を承る直前に他店で整備されたものですが,各部に不具合が見られた為,それぞれについて整備し直しました.この車両は右ハンドルスイッチを配線加工して新品に交換しました
※1 が,ここでは左側について記載します.

図1.1 経年劣化の否めない左側ハンドルスイッチ
 図1.1は色褪せして表示が薄くなっている左ハンドルスイッチの様子です.表示ばかりでなく,ケースそのものものも経年劣化により全体的にカサカサした質感になっていました.そしてウインカースイッチが経年により動きが悪く操作にストレスを感じる状態でした.

図1.2 破損している位置決めピン
 図1.2はスイッチ内部を確認している様子です.赤色の円で囲んだ部分が位置決めピンですが,右側と同様に左側も破損してなくなっていました.これでは極端な力でチョークレバーの操作が行われた場合,ハンドルスイッチも一緒に回ってしまい,正常な位置基準がどこだか分からなくなる恐れがあります.


【整備内容】
 色褪せした表示の対策が主目的で始めたハンドルスイッチ交換ですが,機能的には位置決めピンの対策と動きの渋いウインカースイッチの対策が求められます.位置決めピンは,ピンを埋め込んで新設する方法
※2 もありますが,今回の主目的である表示文字の対策が必要である為,ウインカースイッチの対策も兼ねてスイッチ本体を新品にすることにしました.しかしすでにハンドルスイッチは絶版であることから,他車種の新品のハンドルスイッチの配線を加工して取り付けることにしました.

図2.1 新品の左ハンドルスイッチ内部
 図2.1は他車種の新品の左ハンドルスイッチ内部の様子です.青色の円で囲んだ部分が位置決めピンになります.材質は樹脂ですが,位置決めピンがあることにより,正確なハンドルスイッチの固定位置の割り出しと,回り止めの効果が期待できます.

図2.2 配線加工して取り付けられたカプラ
 図2.2はハンドルスイッチ側の配線を加工して車体側に取り付けた様子です.交換可能なスイッチ側を加工し,車体側を保存することにより永久的に整備が持続可能になります.

図2.3 配線加工して移植された新品の左ハンドルスイッチ
 図2.3は移植の完了した左ハンドルスイッチの様子です.見た目の点では元のカサカサしていたスイッチと比べて,黒が実に生き生きとしたみずみずしい状態であることが分かります.また機能的な点では動作の渋くなっていたウインカースイッチの動きが滑らかになりストレスなく運転できるようになりました.


【考察】 
 部品には見た目の美しさと機能的性能の両方が求められます.今回の事例では表示の色褪せと位置決めピンの破損,そしてウインカースイッチの動作の渋さをすべて解決する最良の手段は新品に交換と判断しました.しかしすでに型式から指定される純正部品が絶版であった為,他車種の新品部品を流用しました.
当然そのまま使用することはできず,配線加工が必要になりますが,交換可能なハンドルスイッチ側を加工して,車体側のメインハーネスに適合させました.一度新品にしておけばこの先何年も使用できるものですが,例えばこの様に対処することで,次回,又その次,と半永久的に部品交換が可能になります.配線加工は電装品の整備において必須事項ですが,それが可能かどうか対象を厳密に吟味することもまた大事なことです.


※1 右ハンドルスイッチの消えかけた機能表示と位置決めピンの破損について
※2 
位置決めピンの折れ込みによるハンドルスイッチの共回りについて





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