事例:S-77
曇りのあるスクリーンを新品に交換することによる美観効果について |
【整備車両】
RG400EW (HK31A) RG400Γ(ガンマ) 1型 年式:1985年 走行距離:約11,000km |
【不具合の状態】
スクリーンが全体的に薄く曇っている状態でした. |
【点検結果】
この車両は細部までメガスピードにて点検・分解整備を実施したものです。
今回の事例では薄く曇ったスクリーンについて取り上げます.
図1.1は全体的にわずかではあるものの薄く曇っているスクリーンの様子です.
純正でスモークが入っていることを考慮しても,細かな傷等の集積により薄く曇りが発生しています.
確かに1985年に発売された中古車であることを前提条件として見るのであれば,
このレベルであればむしろ綺麗な状態であると評価することができます.
しかし薄っすらと確実に存在しているその曇りにより,いくら機関を整備して状態が良好になっても,
せっかくの程度の良い外装全体を含めたトータルでの見た目の印象がランクダウンすることは避けれらません. |
【整備内容】
スクリーンを新品に交換することにより外観の美しさの復元を図りました.
図2.1 アッパーカウルに取り付けられた新品のスクリーン |
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図2.1は新品のスクリーンをアッパーカウルに取り付けた様子です.
光の加減で反射している部分もありますが,ステアリングトップブリッジ廻りを外側から完全に透過して見ることができます.
印象も,曇っているスクリーンのもやもやした感じから,新品の透明なスクリーンはパリッとした爽やかなものへと変化します.
図2.2は駐車場に停車した車両から,新品のスクリーンを通して見える田園風景の様子です.
非常にナチュラルにくっきりとその先を見通すことができます.
公道において実際にライダーがこの位置まで身をかがめて走行するケースはあまりないといえますが,
例えそうした場合にも,視界に入るものが透明であれば,乗車していて非常に気持ちの良いものです.
また2輪の場合,視野がヘルメットのスクリーンとバイクのスクリーンの2重になるため,
少なくともバイク側が確実に透明であることは,安全な運航に寄与するという機能的効果も見逃すことはできません.
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【考察】
スクリーンを新品にすることによって外観の美しさを取り戻すことが完了すると言っても過言ではありません.
いくらカウルやタンク等の外装を綺麗にしても,スクリーンが曇っていればすべてが台無しになってしまうほど,
その見た目の影響は非常に大きいのです.
逆を言えば,多少外観に色あせや劣化,割れ等が存在しても,スクリーンが新品になることにより,
全く別物の車両と言えるほど印象が良くなります.
絶版車の場合,やはりスクリーンに薄曇りのある現実を無理に納得して所有しているより,
部品代を投資して新品の透き通った綺麗なスクリーンの装着した車両を所有している方が,
精神衛生面でも非常にプラスに働くことが実際に体感できるほど,その交換効果は発揮されます.
スクリーンが新品で透き通っていると,バイクを見るたびに“綺麗だなぁ”と思うものですし,毎回見るのが楽しみになります.
そして綺麗なものを所有していると,満足感が面白いように湧いてくるのは,そうしたオーナーの特権でもあるのです. |
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