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リヤドリブンスプロケットの部分的破損について


【整備車両】

RG400EW-2WC (HK31A) RG400Γ(ガンマ) Ⅱ型  1986年式  (参考)走行距離:約11,500km


【不具合の状態】

リヤドリブンスプロケットが部分的に損傷していました。


【点検結果】

図1は損傷しているリヤドリブンスプロケットを取り外した様子です。



図1 、破損しているドリブンスプロケットの歯

黄色の四角で囲んだ部分が破損している歯で、全41丁のうち破損は5丁でした。

またすべての歯において使用に伴う摩耗はほとんどなく、局部的に破損している状態でした。


【整備内容】

図2は新品のアルミ合金リヤドリブンスプロケットです。


図2、新品の社外リヤドリブンスプロケット

強度を考えれば鉄製の純正部品の方が良いといえますが、

お客様のご希望で、軽量化されたアルミ合金の製品を取り付けました。


【考察】

この事例のリヤドリブンスプロケットはAFAMの製品で、素材はアルミ合金です。

破損しているのが全41丁のうち5丁であること、全体に摩耗は見られないこと等を考えると、

瞬間的に強力な力がチェーンから伝達された結果、部分的に歯が破損したものだと考えられます。

鉄製品であれば、かなり強力なトルクを局部的にかけても通常はこの様に破損はしませんが、

アルミ合金ではトルクに耐えられずに歯が削れてしまうことがあります。

事例の車両の排気量は400ccなので、1,000ccを超える大型バイクが行き交う現在からすると、

中型というよりはむしろ軽に近いイメージですが、

内燃機関は2サイクルなのでその瞬間的トルクやトルクの出方からすれば、

やはりドリブンスプロケットには相当の力がかかっているといえます。


アルミ合金の魅力は、純正部品に比べてかなりの軽量化が見込めること、外観が美しいこと等のメリットがありますが、

耐久性は鉄製の純正部品に比べて低下するというデメリットも持ち合わせています。

目的用途に合わせて部品を選択する必要がありますが、

純正部品の設定が鉄鋼であるものをアルミ合金に交換する場合は、

特に力のかかる部分ではその消耗の早さを考慮し、定期的に点検整備する必要があります。





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