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事例:S-86

転倒によるハンドルバランスウエイトカバーの損傷と取り外しの困難化について


【整備車両】

 RG400EW-2W (HK31A) RG400Γ(ガンマ) 2型  年式:1988年  走行距離:約58,000km


【不具合の状態】

 ハンドルウエイトカバーが損傷していました.


【点検結果】

 この車両はお客様のご依頼によりメガスピードにてオイルチェックバルブ関連の修理 ※1 を承ったものです.

今回の事例では同時に整備したハンドルウエイトカバーについて記載します.



図1.1 色あせし削れているバランスウエイトカバー

 図1.1はハンドルのバランスウエイトの様子です.

ウエイトカバー外観が色あせている上,転倒によると見られる傷によりスクリュの頭が削れてしまい,

容易に外せない状態に陥っていました.



図1.2 頭の削れているスクリュとバランスウエイトカバー

 図1.2は様々なアプローチから何とか取り外したバランスウエイトカバーの様子です.

このレベルまでスクリュのプラス部分が削れてしまうと一般的には非常に取り外しが困難になります.



【整備内容】

 新品の部品供給があることから,カバー及びスクリュを交換しました.



図2.1 新品のバランスウエイトカバー(左)と取り付けスクリュ

 図2.1は新品のバランスウエイトカバーとその取り付けスクリュの様子です.

新品の状態は半艶ブラックであることから,取り付けられていたものがいかに劣化していたかが分かります.

車両の発売が1980年代半ばであることを考えれば無理もありません.



図2.1 新品に交換されたバランスウエイトカバー

 図2.2は新品のバランサウエイトカバーを取り付けた様子です.

ハンドル端部が新品になることにより,非常に締まった印象を受けます.

スクリュも新品に交換され,いつでも取り外しが容易にできる状態になりました.



【考察】

 確かに図1.1の状態の様に転倒によると見られる傷があったとしても,

バランスウエイトが外れているわけではないので走行に影響することはほぼ皆無であるといえます.

しかし,エンジンの内部やカバー,カウル等の内側に位置する部品と異なり,

ハンドルのバーエンドは必ず目につく場所です.

そうであれば,それが新品になることによる視覚的効果は計り知れないものがあります.

そして今となっては貴重な2サイクルモデルであることからも,

やはりオーナーには満足した状態で乗っていただきたい限りです.





※1 オイルチェックバルブの衰損により短期間で2サイクルオイルで満たされたフロートチャンバについて






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