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事例:S-79

ハンドルウエイトカバーに発生した錆による車両価値の低下とその改善効果について


【整備車両】

 RG500EW-2W (HM31A) RG500Γ(ガンマ) 2型  年式:1987年  参考走行距離:約14,800km


【不具合の状態】

 ハンドルウエイトカバーに錆が発生していました.


【点検結果】

  この車両はお客様のご依頼によりメガスピードにて継続検査(車検)及び定期点検を承ったものです.

今回の事例では錆の発生しているハンドルウエイトカバーについて記載します.



図1.1 錆の発生しているバランスウエイトカバー

 図1.1は錆の発生しているハンドルバランスウエイトのカバーの様子です.

転倒による削れ等が原因ではなく,四半世紀以上経過した自然劣化であるといえます.

機能的には全く何の問題もない部位ですが,やはりバーエンドという視覚的に目立つ突出した部位が錆びていると,

車両全体のイメージが悪くなってしまうのは避けられません.

そしてそれが車両の価値を見える形で確実に下げてしまっているという事実を直視する必要があります.



図1,2 新品のウエイトカバー(左)と錆びているカバー

 図1.2は新品のカバーと錆の発生していたカバーを比較した様子です.

変形や削れ等がないため転倒による損傷はないと考えられるのは前述の通りですが,

表面に発生した錆は見ていて気分の良いものではありません.



【整備内容】

 RG500Γ (HM31A) はバランスウエイト本体とカバーに分離した構造であるため,

錆の発生しているカバーのみ交換することが可能です.




図2.1 新品に交換されたバランスウエイトカバー

 図2.1はバランスウエイトカバーを新品に交換した様子です.

取り付けスクリュは同じ品番でも形状が変更されていて頭が皿になっており,カバー端部と面一になっています

わずかな部品の投資により,この部位のみではなく,車両全体のイメージが美しく変化したと言っても過言ではありません.



【考察】

 確かに機能的にはハンドルウエイトカバーの表面の塗装がはがれて錆が発生していても,全く影響がないといえます.

しかしカウルに隠れてしまう部位や外部から見えにくいところにある部品であるならばまだしも,

ハンドル端部という突出した非常に目立つ部分が錆びていると,車両全体の印象が悪くなるのはやむを得ません.

雨が降ろうが風が吹こうが通勤で使用する様な車両であれば,どうということはないこの錆も,

RG500Γという稀有な車両であれば,そうは行きません.

それが2ストのひとつの境地であるとするならば,やはり機械的な性能の維持だけでなく,

少なくとも目に見える部位にある部品の外観も美しい状態で所有しておきたいものです.





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