事例:S-76
リヤフェンダ内側の錆びたナンバーステー取り付けナット及びワッシャについて |
【整備車両】
RG400EW (HK31A) RG400Γ(ガンマ) 1型 年式:1985年 走行距離:約13,200km |
【不具合の状態】
リヤフェンダ内側が汚れていてナンバーステー取り付けナット及びワッシャが錆びていました. |
【点検結果】
この車両はお客様のご依頼によりメガスピードにて各部を点検整備したものです。
今回の事例では車体廻りを目視点検した際に発見した,
リヤフェンダ内側の錆びたワッシャ及びナットについて記載します.
図1.1 錆の発生しているナンバーステー取り付けナット及びワッシャ |
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図1.1はリヤフェンダ内側にあるナンバーステー取り付けナット及びワッシャの様子です.
特に向かって左側のワッシャに著しい錆が発生しているのが確認でき,
フェンダが泥や油で汚染されていることが分かります.
これは機能的に直接悪影響を及ぼしている状態ではないものの,美観を損ねる大きな要因になっています.
図1.2は取り外したワッシャ及びナットの様子です.
ナットに大きな錆はないものの,ワッシャは外側を中心にい著しく錆びていて,フェンダに固着していました. |
【整備内容】
ワッシャ及びナットを新品に交換し,リヤフェンダ内側を洗浄しました.
図2.1は新品のワッシャ及びナットの様子です.
これらが新品に交換されることにより,わずかな部品代に対して見た目の美しさという大きな利点をもたらしてくれる,
非常に重要な部品であることが分かります.
図2.2は洗浄したリヤフェンダ内側に新品のナット及びワッシャを取り付けた様子です.
上部の2か所も同時に交換し,合計4か所を新品にしました.
これにより新品のナット及びワッシャを洗浄され綺麗になったフェンダが一層引き立てられます. |
【考察】
リヤフェンダの内側が汚れていても,確かに機能的には全くと言って良い程に問題ない状態であるといえます.
またフェンダの本来の目的の1つに泥除けが含まれていることを勘案すれば,
むしろ走行後は汚れていて当然であるといえます.
しかし厳密にいえば,リヤフェンダの内側こそ,どの程度の手入れがされていたかを知る指標になると同時に,
外観を美しくしたのであれば,最後の詰めとしてこの部位も等しく綺麗にしておかなければならないといえ,
いくら外観が良くてもこの部分が汚れていては何にもなりません.
確かにバイクは外観の美しさが大切ですが,見逃してはならない部位のひとつに私はリヤフェンダの内側を挙げます.
なぜなら細部まで手入れされていると称される車両のほとんどが,
この部位に関しては汚れていることが少なくないからです.
つまりこの部分まで手入れされているかどうかで,
その作業者なり使用者の車両に対する取り組み姿勢を判断することができ,
本気の度合いを測るとともに真剣か否かの判断材料として,私はこの部位を注視します.
そして一番大切なのは,車両に乗った後の掃除として,リヤフェンダ内側を綺麗にする場合,
同時にリヤタイヤの状態も点検しておくことです.
毎回といかないまでも,時々は乗車後に目視点検することが車両の状態を良好に維持する秘訣であるといえ,
その時に軽く掃除してやれば,車両に対する愛着もまた一層大きくなるものです. |
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