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事例:S-75

ブレーキペダル踏み込み部裏側に発生した錆の除去と再塗装について


【整備車両】

 CB250RSA-Ⅱ (MC02)   推定年式:1981年  走行距離:約2,600+αkm


【不具合の状態】

 ブレーキペダル踏み込み部裏側の溶接部分を中心に著しく錆が発生していました.


【点検結果】

 この車両はお客様のご依頼によりメガスピードにて各部を点検整備したものです。

今回の事例では車体廻りを目視点検した際に発見した,

ブレーキペダル踏み込み部の裏側に発生した錆について記載します.



図1.1 車体から取り外した錆びているブレーキペダル

 図1.1は車体から取り外したブレーキペダルの様子です.

全体的に艶がなくなっていることが分かりますが,一番の問題点は溶接部を中心に発生している錆です.



図1,2 溶接部に発生した錆

 図1.2はブレーキペダルの踏み込み部裏側の様子です.

溶接個所を中心に著しい錆が発生していることが分かります.

表面に発生した錆は長期間の浸蝕により溶接部脆くし,結果的に破損に至る可能性があります.



【整備内容】

 錆を除去して状態を確認したところ,内部まで浸蝕されていないことから,表面に発生した錆を除去し再塗装しました.



図2.1 錆取り塗装された溶接部

 図2.1は錆取り及び再塗装された溶接部の様子です.

これにより腐食の進行を止めることだけでなく,新たな浸食を防止することができるようになりました.



図2.2 再塗装されたブレーキペダル

 図2.2は塗装されたブレーキペダル外観です.

取り外したものは艶が失われていますが,再塗装したことにより非常に美しい輝きを取り戻すことができました.

やはり外部から容易に確認できる部位に関しては,

錆の防止という性能面だけでなく,見た目の満足感も同時にも成立させなければならないといえます.



【考察】

 ブレーキペダルが鉄製の場合,その多くが防錆を兼ねた塗装あるいは表面処理が施されています.

しかし30年も経過すると,それらは意味を失い,ほとんどのケースで錆が発生しています.

もちろん極端に雨ざらしにしていなければ錆が内部まで浸蝕する速度は早くはありませんが,

それが溶接部の場合,表面から少し浸蝕した場合に著しく強度が低下して脆くなることがあります.

特にブレーキペダルという,足で踏み込み部品そのものに負荷をかけるものであれば,

その溶接部の状態には尚更留意しなければならないといえます.

今回の事例では表面に錆が発生していただけなので,それらを除去・塗装することにより対策することができました.

しかしこれが溶接部を侵して崩れかけている場合,錆取り塗装が困難なばかりでなく,

走行中に部品が破損する恐れが出てきます.

やはり絶版部品である上,ブレーキという機能的に重要な部位であれば,

部品がダメになる前に早めにリフレッシュしておくことが求められるといえます.





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