【点検結果】
この車両はお客様が7年程度乗らずに保管している際に不動に陥った為,メガスピードにて再生のご依頼を承ったものです.フロントタイヤに引きずりが発生していた為点検すると,キャリパの不具合によるものであることが分かりました.ここではその引きずりに関連して整備したフロントブレーキホースについて記載します. |
図1.1 はマスターシリンダに取り付けられていたバンジョーアダプタの様子です.左右に湾曲して取り付けられていました.見苦しい外観であることに加え,石像の様なバンジョーボルトおよびブリーダも一層外観を台無しにしている印象を受けます.不具合の要素が一つでも残ることを避ける為,今回はキャリパ,ホース,マスターシリンダの3点セットで整備しましたが,ホースについてはこの様な見苦しさを避ける為に,取り回しや形状にも気を配りました. |
図1.2 はライダーの視点から見たブレーキホース付け根の様子です.左右へ開脚しているのはどうみてもスマートではありませんし,バンジョーボルトも同様です.ライダーがバイクを運転する際には必ず視界に入る部位ですから,やはり美しい状態にしておきたいものです. |
図1.3 はロアブラケット周辺のブレーキホースの様子です.純正では三又を介して3本のブレーキホースで構成されているブレーキラインですが,この車両は三又およびホーンがロアブラケットに存在せず,マスターシリンダから2本出しになっていました.したがってホースがバラけるのを避ける為にクランプで縛り付けたと考えられます. |
図1.4 純正キャリパアダプタおよびフレアナットに差し込まれた社外ホース |
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図1.4 はキャリパ側のブレーキホース接続部の様子です.アダプタとフレアナットは純正が使われて,その上が社外のホースという非常に中途半端な状態でした.過去の作業者がどのような意図でこうしてしまったのかは分かりませんが,外観は見苦しい為,いち早く是正される必要があります.また材質面からすれば,アルミ合金のキャリパに鉄のアダプタおよびフレアナットが取り付けられ,それにアルミ合金が接続されているので統一性に欠ける状態でした. |
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