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事例:S-107

ブレーキフルード交換時におけるリザーバタンクの洗浄について

【整備車両】 
 FZS1000 (RN061) FAZER  年式:2004年  参考走行距離:約21,200 km
【不具合の状態】 
 リヤブレーキフルードリザーバタンクに異物が混入していました.
【点検結果】 
  この車両はお客様のご依頼によりメガスピードにて継続検査および法定定期点検を実施したものです.今回の事例では劣化したブレーキフルードについて記載します.

図1.1 一部が変質したブレーキフルード
 図1.1 はリヤブレーキフルードを交換しようとした際に確認したリザーバタンク内部の様子です.フルードが劣化して変質したと推測される異物が混入していました.またホースへと続く穴のある底が黒く汚れていました.


【整備内容】
 汚れていたリザーバタンクを洗浄し,ブレーキフルードを透明の新品に交換しました.

図2.1 洗浄されたリザーバタンクおよび新品に交換されたブレーキフルード
 図2.1 はリザーバタンク内部を洗浄して異物を除去するとともに底部に堆積していた黒い物質を取り除き,新品の透明のブレーキフルードを入れた様子です.これにより,この先の継続検査の有効期間2年を安心して過ごせるようになりました.


【考察】 
 ブレーキフルードは塗装を傷める為慎重に取り扱う必要があり,作業工程にも気を遣わなければならない為,『ブレーキフルード交換』 という一見単純そうに思える名称からは想像がつかないくらいリスクの高い整備項目です.他店でフロントブレーキフルードを交換したものの,整備が雑で,垂らしたブレーキフルードがサイドカウルの塗装をダメにしてカウルが全損になっている事例を時折見かけます.

 ブレーキフルード交換にはそのようなリスクが常について回るため,本来は特に時間をかけて慎重に整備を進めなければなりません.また当社では特にブレーキフルード交換時にはリザーバタンクの洗浄に力を入れています.いくらブレーキフルードを新品にしても,リザーバタンクに汚れを残していては,それがいつマスターシリンダに流れ込むか分かりませんし,そうなった際には最悪の事態としてブレーキの圧力が抜けずにブレーキがかかりっぱなしになる場合が実際にあるからです.したがって,そのような事態を避ける為にも,リザーバタンクは常に清潔にしておかなければならないのです.







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