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事例:S-127

CB250RS-Aの車体へ換装されたZ用のフロントブレーキ廻りについて

【整備車両】 
 CB250RS-A (MC02)  推定年式:1981年  参考走行距離:約5,100 km
【不具合の状態】 
 フロントブレーキ廻りに不具合が発生していました.
【点検結果】 
 この車両はフロントブレーキに不具合が発生していた為,この機会にお客様が長年温めていたフロントブレーキ廻りの換装をメガスピードにて実施したものです.すでに発売から数十年経過している上,車両についての情報が少ない中,部品の調達を始め情報収集や進行における段階段階での確認等,様々な角度からお客様にご尽力いただき,共同で完成させました.


【整備内容】
 RS-Z用の新品のロータおよびオーバーホールしたキャリパをRS-Aに移植,換装しました.

図1.1 新品のディスクロータ―および取り付けボルト
 図1.1 は新品のディスクロータの様子です.すでに国内では絶版であったため,お客様のご尽力により海外から取り寄せていただきました.やはり新品のローターは気分が良いものです.

図1.2 ホイールに取り付けられた新品のブレーキロータ
 図1.2 はZ用のローターをホイールに組み付け,それを車体に取り付けた様子です.


図1.3 分解洗浄・焼き付け塗装されたZ用のキャリパ
 図1.3 はZ用のキャリパを分解洗浄し,外装を耐熱塗装して焼き付けた様子です.お客様のご指定により今回はゴールドで塗装しました.

図1.4 新品のブレーキキャリパへの組み付け部品
 図1.4 はブレーキキャリパの構成部品の様子です.すべて新品に交換します.問題は赤い四角で囲んだパッドスプリングですが,これについての詳細は実際に作業してみれば把握できるため割愛します.


図1.5 オーバーホールの完了したZ用ブレーキキャリパ
 図1.5 はオーバーホールの完了したブレーキキャリパの様子です.パッドはデイトナの赤パッドを選択しましたが,塗装されたキャリパと相まって非常に美しい状態であると言えます.

図1.6 移植の完了したZ用ブレーキキャリパ
 図1.6 はZ用のキャリパの移植が完了した様子です.ローター及びパッドが新品になったことから慎重に試運転を重ね,互いの当たりを付け,非常に良い制動力が得られたことを確認して整備を完了しました.


【考察】 
 この車両は,お客様がいづれはZ用のフロントブレーキ廻りに換装したいと思われていたものを,ついに実行したものです.RS-AにRS-Zのブレーキキャリパを移植するにあたり,部品の調達から何から色々お客様にご尽力いただきました.その結果無事移植することが完了し,新品のディスクローターを使用した贅沢な状態で納めることができました.試運転は入念に約30km走行し,パッドとディスクの当たりを出しました.その結果,非常に良い制動力を得ることが可能になりました.

 今回の事例ではブレーキ廻りの換装を記載しましたが,換装に全く別の車種のものを移植する場合と,今回の様に同型式の別のタイプからの移植とに大きく二分できます.特に後者の場合は,構成部品の同一性等を熟慮することにより,より信頼性の高い移植が可能になる場合が少なくありません.もちろん何でもかんでも換装すれば良いというものではなく,あくまでメリットとデメリットを考慮すべきであり,最終的には移植した結果をオーナーに満足していただけるかどうかの一点に絞られます.





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