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R1-Z (3XC) 専用設計 デジタル進角DC-CDI   
    適合車種:R1-Z 3XC1, 2, 3    純正品番:3XC-85540-00, 3XC-85540-03互換


-----[MEGA-denshi製 R1-Z専用設計デジタル進角DC-CDIの特徴]-----

1、用途に応じて2つのタイプが選択可能
  
タイプS(税込169,800円):タコメーターのオープニングがあり、過電圧リミッタ(キャンセルも可能)を搭載しています。
  
タイプA(税込149,800円):純正互換品です。


2、M.T.I.S. (MEGA-denshi Tacho Indicate System) によるイグニションON時のオープニングとワーニング(タイプSのみ)
 『メガ電子モード』ではイグニションON時にタコメータが12,000rpmを差し、YPVSが全閉になるまで待機、その後0rpmに戻ると同時にYPVSが全開になります。この動作が確認できた場合は通常モードが正常に選択されていることになります。YPVSが固着していたり、排気バルブの位置を異常検出すると、YPVSの初期動作はカットされます。その場合、タコメータオープニングも短くなります。また過電圧リミッタが動作した場合はタコメータを5秒間、5,000回転表示にして警告・ワーニングを行います。


3、DC化による高回転の伸び
 DCDCコンバータによる専用の点火回路を搭載しました。それにより従来のAC-CDIと比較してフルノーマルの開発車両では、高回転の伸びが見られました(弊社従来品比)。


4、純正ベースの安心安全な点火マップ・YPVS開度マップ
 
 すでに発売している弊社R1-Z専用デジタル進角AC-CDIのマップを更に改良し、滑らかな吹け上がりを実現できるようモデファイしました。







5、過電圧リミッタ搭載(タイプSのみ)
 電装の故障で最も多いと言っても過言ではないのがレギュレータ故障による過充電がもたらす各ユニットの破損です。バッテリ電圧が異常に上昇すると、CDIをはじめETCや各電子デバイスが破損します。

  ⇒ 本DC-CDI内部では常時バッテリ電圧を監視しているので、異常電圧を検出すると、エンジンを停止させ、過電圧による電子デバイスの破損を未然に防ぎます。

-----(過電圧リミッタが動作した場合と警告ワーニング)-----
 
DC-CDI本体が異常電圧を検出した場合、過電圧リミッタが動作し点火カットするためエンジンが停止します。それと同時にYPVS動作も過電圧を検出した段階で停止します。そして数秒後にM.T.I.S(MEGA-denshi Tacho Indicate System)によりライダーにエンジンが停止した理由を知らせる為、5秒間、タコメータの表示が5,000回転になり、過電圧を検出したことを警告ワーニングします。その後タコメータを0回転に戻し、その状態が継続します。

過電圧検出、リミッタ動作 → 点火カット・エンジン停止 → 数秒後にタコメータ5,000回転表示を5秒(ワーニング) → タコメータ0回転表示

 過電圧リミッタが働いた場合、充電系統に異常があるため、電源を入れ直して再度エンジンをかけても、同じように過電圧を検出してリミッタが動作する可能性があります。緊急の場合はモード切り替えにより『純正モード』にすれば、過電圧状態においても電子ユニットが故障するまで走行することができます。ですが、過電圧リミッタが発動する状態は正常ではないので、すみやかに充電系統の点検整備を行うことを推奨します。


6、YPVS制御系統の緻密化およびエンジン保護の為、純正同様の異常時のYPVS駆動アルゴリズムを搭載
  MEGA-denshi 独自のアルゴリズムにより、YPVS制御を緻密化しました。これにより、更に滑らかなYPVS動作が可能になりました。また純正同様に信号線の断線時には強制的にモータを全開位置へ駆動して高回転/スロットルOFF時のオイル吐出量減少を防止します。
純正CDIではポテンショメータの信号線が断線していると、プーリを全開方向に約半回転(190°程度)を2回繰り返します。
 ⇒ MEGA-denshi CDI も純正と同じように信号線の断線時にプーリを強制的に全開方向へ回転させ、排気バルブ強制的に全開にさせます。


7、サイドスタンドインタロックの解除
⇒ 純正CDIはサイドスタンド使用時にニュートラル以外のギヤにするとエンジンが停止するインタロック機能がありますが、MEGA-denshi CDI ではあえてインタロック機能を解除(実装しない) しました。
 理由は車両の発売からすでに数十年経過している為、劣化した車両側のサイドスタンドスイッチの故障による突然のエンジン停止を避ける為です。したがって、本CDIをお使いいただいた際の発進時にはサイドスタンドの払い忘れにご注意下さい。


8、CPUやモータドライバを始め、電子部品は車載規格をクリアした部品を使用しています
 
 ⇒ CPUは車載で世界シェアトップレベルの日本の半導体メーカーRENESASの車載用CPUを使用しています。またYPVS制御の要となるモータドライバも車載用を搭載、その他、使用している電子部品は、厳しい条件であるAEC-Qxxx 準拠といった車載用を使用しています。



9、エキサイタコイル(チャージコイル)の劣化・故障した車両に対応
 R1-Zはエキサイタコイルが3個あり、発売から数十年経過しているため、劣化が進んでいる場合はスパークが弱くなります。
  ⇒ 本ユニットはCDI内部でエキサイタコイルの代わりにDC-DCコンバータを搭載しているため、エキサイタコイルは不要になります。エキサイタコイルの状態が正常でも、不良でも、それらに関係なく点火することができます。



10、一度だけ使用可能なキルスイッチ ~MEGA-denshi Once Kill Switch System (M.O.K.S)~

 キルスイッチの接触不良が原因で発生するRUNの状態での点火カット(それによるエンスト等)や即時点火再開といった状況を避ける為、キルスイッチが一度作動すると、イグニションキーを一度OFFにしないとエンジンを再始動できない仕様にしました。このシステムにより、緊急時には確実にエンジンを停止させるだけでなく、エンストした原因の切り分け判断が可能になります。


 転倒等の緊急事態でキルスイッチを意図的に物理的にRUNからOFFにした際に、再始動する場合は一度イグニションキーをOFFにしてから再度ONにして下さい。


 1、RUNの位置のまま再始動できればキルスイッチ以外の原因でエンスト
 2、RUNの位置のまま再始動できなければキルスイッチの接触不良(経年劣化等による不具合により勝手にOFFしてしまった)


11、電源ヒューズの追加による安全強化
 ⇒ CDIの電源供給部に別途5Aのヒューズを設置してあります。これにより万が一CDIが故障しても、ヒューズ部で損傷を食い止めることができます。
※ 通用の使用でヒューズが溶断することはありませんので、万が一ヒューズが溶断した場合は、使用をやめて速やかに弊社にご連絡下さい。




12、販売後もサポートします
  ⇒ ユーザー登録することにより、一定条件のもと、1年間万が一の故障でも新品に交換する保証をおつけします。


[モード切り替え方法]

 タイプSはタコメータオープニングと過電圧リミッタを実行する『メガ電子モード』と、その両方をカットした『純正モード』の2つを搭載しています。

 キルスイッチがRUNの状態で通常通りイグニションONにすれば、『メガ電子モード』となり、タコメータオープニングが始まります。


(メガ電子モード)
   キルスイッチ
RUNの状態でイグニションON → タコメータオープニング・YPVS初期動作 → メガ電子モード


 過電圧リミッタを解除したい場合は、メガ電子キルスイッチモードセレクト【M.K.M.S】を使用します。方法は、まずキルスイッチをOFFにした状態でイグニションをONにします。正しく『純正モード』に入るとタコメータオープニングもYPVS初期動作もありません。そのまま1秒程度待ってからキルスイッチをRUNにすると、YPVS初期動作を行い、エンジン始動可能となります。

(純正モード=過電圧リミッタカットモード)
   キルスイッチ
OFFの状態でイグニションON → その状態でキルスイッチOFFからRUNへ → YPVS初期動作 → 純正モード


[取り付けについて]
 MEGA-denshi R1-Z専用設計デジタル進角CDIは純正互換なので、カプラーオンで純正CDIと同じようにそのまま車体に取り付けることができます。タイプSは同梱の延長コードを使用します。



 最初に図の様に小物入れの左端にDC-CDI本体を設置します。配線は純正CDIの配線と同様に車体左側へ送ります。



【タコメータへの配線接続(タイプSのみ)】
 DC-CDIからのタコメータ用信号線(黄/緑)を同梱の延長コードを使用してヘッドライト内部のタコメータへの配線(橙)とギボシで接続します。
    


タコメータ配線手順1:ヘッドライト裏側からタコメータ用の配線(黄/緑)を図の様に入れ、ヘッドライトを取り外し、裏から挿入した配線(黄/緑)を取り出します。



タコメータ配線手順2:橙色の配線を見つけ、図の様にギボシ接続を外します。



タコメータ配線手順3:橙色のオスギボシにタコメータとDC-CDI接続用の配線(黄/緑)のメスギボシを図の様に接続します。



タコメータ配線手順4:橙色のメスギボシは使用しないので、図の様にメクラ栓を挿入して絶縁しておきます。ヘッドライト側の作業はこれで完了なので、レンズを戻します。



タコメータ配線手順5:ヘッドライト裏からタコメータ用の配線(黄/緑)を車体に入れ、リザーバタンクの脇、タンクを通してCDI側へ引き、CDI側の配線(黄/緑)のメスギボシと接続し、CDI側のタコメータ配線作業は完了です。タイプSの追加作業はこれで完了なので、以下はタイプAと共通です。


【DC-CDI本体の取り付け(タイプA)】

手順1:カプラは純正CDIと同様に、図の様にすべて車体ハーネス側と同じものを合計4か所接続します。110型の3極メスカプラは使用しないので、適宜格納して下さい。CDI製造の便宜上、車体ハーネス側の配線の色とCDI側の配線の色が違う組み合わせのものがありますが、カプラONで接続できるようになっておりますので、そのまま合うようにカプラを接続して下さい。
 本CDIはDCコンバータ搭載によりエキサイタコイルは使用しませんが、エキサイタコイルは強いノイズの発生源となるので、エキサイタコイルの3極カプラ(赤/緑/茶)は必ず図の様にCDIと接続して下さい。



手順2:次にギボシ配線を図の様に接続します。
車体側の黒/白はCDI側の青と接続します。それ以外は同色同士の接続となります。

ギボシ配線接続
車体ハーネス側 ギボシ MEGA-denshi CDI側 ギボシ
橙 (オス) (メス)
白/赤(メス) 白/赤(オス)
黒/白(オス) 青 (メス)



手順3:図の様に配線をまとめ、DC-CDIの取り付けは完了です。CDI本体の設置場所としては、例として図の様に小物入れにしていますが、すでにETC本体が設置されていたり、何らかの形で使用されている場合は、CDI本体は別の場所に設置して下さい。昇圧コンバータにより発生する熱をケース本体で放熱しているので、できるだけ風通しの良く、他の熱源から遠い位置が理想です。



手順4:最後にYPVS全開調整位置の確認行います。
純正と同じ全開位置で停止するようになっているので基本的に調整は不要ですが、個体差によりわずかにズレが生じた場合は、以下の手順で調整して下さい。

 ⇒ まずイグニションONにすると、YPVSイニシャライズを行います。全開の位置で停止しますので、停止後にイグニションをOFFにします。次に図の様にプーリホルダの穴とプーリの切り欠きの位置が合うようにワイヤを調整します。調整後にもう一度イグニションをONにして、YPVSイニシャル後にズレが無いか確認してください。問題なければYCDIの取り付け、初期化が完了となります。

※イグニションONでエンジンが停止している場合(イニシャライズ後やエンスト時)は、CPUが常にYPVSを全開にしようと位置を監視・調整しています。ですので、プーリのワイヤ調整の際は必ずイグニションOFFで行ってください。



[注意点]

 ・本製品は純正互換なので、純正CDIに比べてパワーアップするものではありません。
 ・バッテリから直接+12Vを接続すると、イグニションOFFのバイクに乗っていない間にも微量ですが電流が流れている為、バッテリ上がりの原因となります。

 ・エンジン回転のレブリミッターはあえてプログラムしておりませんので、回し過ぎにはご注意下さい。
 ・開発時はマニュアル値での最高出力発生回転数までエンジンが吹け上がることを確認していますが、それ以上の回転域の動作は保証外となります。

 ・誤作動防止の為、NGK抵抗入りプラグをご使用下さい。その他のプラグでは動作未確認となります

 ・純正イグニションコイルおよびハイテンションコード以外での動作は未確認の為、社外の強化コイルやホットワイヤー等は非適合となります。
  ⇒ 誤作動した場合、内部ICが損傷し、CDIが故障するおそれがあります。
 ・CDIを分解した場合、保証の対象外となります。



[開発について]
 ヤマハ2ストローク・スポーツタイプの車両としては最後ともいえるR1-Z。この車両を末永く楽しんでいただけるよう、DC-CDIの開発を行いました。専用に設計したDCDCコンバータ搭載によりエキサイタコイルが不要になるだけでなく、かねてからの懸案事項であった過電圧による各電子ユニットの故障を未然に防ぐ機能の搭載も念頭に開発を進めました。その結果、過電圧を検出した際にはエンジンを停止させて各部の故障を未然に防ぐ過電圧リミッタの搭載と、過電圧を検出したことをライダーに知らせる為にタコメータをインジケータとして使用することで設計を行いました。
 その際に問題となったのは、純正のタコメータの仕様がイグニションコイルへの1次信号を使用していることでした。
純正のハーネスではタコメータとイグニションコイルがつながっていて、例えばイグニションON時にタコメータを動作させると、同時にイグニションコイルへ信号が送られてしまいシリンダ内に残留ガスがある場合、スパークにより引火すると大きな炸裂音が出ます。これではライダーがビックリして心臓に悪いだけでなく、位置によってはピストンが下がってクランクが少し動く事があるため非常に危険です。これを避ける為、オープニングや電圧異常の警告でタコメータを動作させる場合は、タコメータのみに信号を送り、安全に動作させることで解決しました(MEGA-denshi Tacho Indicate System)。

 また、DCDCコンバータ本体の機能としては、ヘッドライト点灯状態においてブレーキランプを握ってウインカーをつけたりする信号待ちのような最高負荷時にも対応できるよう、常時バッテリ電圧をモニタして点火コンデンサへのチャージ電圧を補正しているので、どのような状態でも最適な点火を実現しています。
もちろんハードに関しては、ルネサス車載用CPUはもとより、モータドライバも車載用ICを搭載し、安心安全を確保しました。

 2000年代からCPUはすべてシングルチップ化して非常にコンパクトになりました。搭載しているデジタル制御を担う高性能CPUは、日本が世界に誇る車載半導体メーカーRENESAS社のものです。日本車のインジェクションモデルの純正ECU内部にもRENESASのCPUが使われていることからも、信頼性のある日本の半導体企業を MEGA-denshi は支持します。

 R1-Z の発売が1991年頃ですから、すでに数十年経過しています。当然CDIもエキサイタコイルも劣化しています。新品のデジタルDC-CDIを供給させていただくことにより、今後もずっと安心して維持し続けられるようお役に立てれば幸いです。


※1 純正CDIではYPVSの信号線が断線すると、プーリーの位置検出が行えない為、強制的に約半回転を2回、YPVS全開方向へ回ります。この仕様についての詳細はメーカーから公表されていませんが、MEGA-denshi としては、YPVSが全閉付近で信号線のギボシが外れた際に、その後の高回転時のスロットルOFF時の焼き付き防止対策としてとらえ、弊社CDIも同様の仕様にしました。









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