トップページ代表の個人的なページ随筆【essay】


『河童はいるのか』


 もし子どもに“河童はいるの?”と聞かれたら、みなさんはどう答えますか。

 私の河童の原型は、河川敷に設置されていた看板にいます。小学生だった80年代後半、川の危険を知らせる看板は必ずと言ってよいほど河童が子どもの足を川の中に引きずり込もうとする怖いものでした。

 河童はいるのでしょうか。

 この問いは非常に難しいと思います。仮に妖怪の出所が“人”を含めた不可解な自然現象に対する置換だとする立場を支持するのであれば、問いそのものが無意味なのかもしれません。

 では質問を変えて、“河童はいないのでしょうか。”とすればいかがでしょう。

 小学校も高学年になると、河童を代表とする妖怪や化け物、幽霊その他非科学的とされるものを否定するようになりました。河童なんているわけない、と。でもいない証明ができないのであれば、いることになるのではないか。最近そんな風に考えるようになりました。なぜなら科学で分かる範囲など、自然現象のほんのひと握りに過ぎないことを十分知るようになったからです。


 みなさんの心の中には河童はいますか。






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