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事例:D-71

転倒によるウインカーの破損と迅速な修理について

【整備車両】 
 ZOOMER (AF58) ズーマー  年式:不明  参考走行距離:約16,000 km
【不具合の状態】 
 転倒により右前のウインカーが破損していました。
【点検結果】 
 この車両は転倒した際にウインカーが破損したということで、お客様のご依頼によりメガスピードにて整備を承ったものです。日常の足として使用しているということで、なるべく早く乗りたいとのご希望の為、迅速に修理に取りかかかることにしました。お盆前でメーカーも休みに入る為、新品のウインカーに交換するよりも直した方が時間的に早いと判断しました。

図1.1 ベースプレートの曲がっているウインカー
 図1.1 は転倒によりベースプレートの曲がったウインカーの様子です。幸いレンズやケースにダメージがほとんどないことから修理可能と判断しました。

図1.2 断線しているウインカーアース線
 図1.2 は断線しているウインカーアース線と、ほとんど切れかかっている電源線の様子です。配線は引っ張ったときに負荷のかかる付け根で千切れていました。この場合配線をつなぐために加工する「つなぎしろ」が無いことが懸念されます。

図1.3 錆びているアース枠
 図1.3 は配線の残量を確認する為にウインカーレンズを取り外した様子です。まずはアース枠に錆が発生していることを確認しました。配線は分解して部品単体にすれば接続延長加工ができると判断しました。


図1.4 歪んでいるベースプレート
 図1.4 はウインカーの台座であるベースプレートの様子です。転倒して打ち付けたことにより金属が上側と内側に複合的に曲がっています。また塗装のはがれたところに錆が発生していました。


【整備内容】
 ウインカーを取り外し、部品単体にしてから修理しました。

図2.1 延長されたウインカーアース線
 図2.1 は千切れていたアース線の残りを解いて伸ばし、同色で延長加工した様子です。赤色楕円で囲んだ部位が接続部です。今回はリングスリーブおよび絶縁収縮ゴムを使用して接続しました。

図2.2 延長されたウインカー電源線
 図2.2 は千切れかかっていたウインカー電源線を一旦切断し、再度延長加工した様子です。赤色楕円で囲んだ部位が接続部で、アース線と同様にリングスリーブおよび絶縁収縮ゴムを使用してつなげました。

図2.3 ウインカーバルブの点灯点検
 図2.3 アース線およびケースに電源線とバルブを取り付け電流を流して点灯するか動作確認した様子です。アース枠の錆を除去し、バルブは新品に交換しました。

図2.4 ベースプレートに取り付けられたウインカー
 図2.4 はベースプレートにウインカーハウジングと内部一式を取り付けた様子です。ベースプレートは板金塗装して逆サイドと同等の位置に復元しました。

図2.5 整備の完了したウインカー
 図2.5 は整備の完了した右前ウインカーの様子です。レンズには薄く傷がついていたので研磨して表面を綺麗に仕上げました。そして実際にウインカーが点滅することを確認して整備を完了しました。


【考察】
 ウインカー交換と修理を比較すれば、少なくとも当社の場合、私が手を入れる方がウインカー交換よりも当然高価です。それは上記の整備内容を考えれば容易に判断できる事案です。しかし絶版かどうかも分からない部品を注文してお盆休み明けに入荷するのを待ち、それから修理するのではいつ乗れるようになるのか分かりません。その点、今回の事例ではレンズそのものの破損が無いことから、歪んだベースプレートは板金塗装し、断線をつなぎ直せばその日に乗れると判断してお伝えしたところ、その方が良いとのお客様のお考えでした。そしてご要望に対し迅速に対応できて良かったと思います。





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