トップページ故障や不具合の修理事例【刈払機】 エンジン関係の故障、不具合、修理、整備の事例 (事例:1~10)


事例:B-1

自家用刈払機の定期点検について


【整備機具】

 マキタ   刈払機  型式:MEM427X  


【点検結果】

 この刈払機(以下,草刈り機)は2シーズンすなわち2年間庭に生えた夏草を刈り取るために使用されたものです.

業務用ではないことから大きな負荷はかかっていないものの,

すでに刈刃を一度交換する程度の稼働時間を超えていた為,メガスピードにて定期点検を実施しました.



図1.1 摩耗しているスパークプラグ

 図1.1は取り外したスパークプラグの様子です.

中心電極の角が丸くなり摩耗していることを確認しました.



図1,2 排出した古いエンジンオイル

 図1.2はエンジンから抜き取られたオイルの様子です.

エンジンの使用による消費量は一度継ぎ足した為正確に測定することは難しいといえますが,

2年間使用したことによりオイルの劣化を含めた性能の低下が懸念される状態でした.



図1.3 エアフィルタに付着している枯葉

 図1.3はエアフィルタを点検している様子です.

大気側に吸い込まれたゴミが付着していることが分かります.

形状から,草刈りを実施した際に粉砕した雑草の断片が吸い込まれてフィルタの表面で枯れたものであると考えられます.



【整備内容】

 全体的に清掃し,取り外した消耗品で交換が望ましいと判断したものを新品にしました.



図2.1 新品のスパークプラグ

 図2.1は新品のスパークプラグを取り付けている様子です.

取り外したものでも清掃すれば再使用できないこともありませんが,

わずかな投資で新品を得られるのであれば,やはり交換しておくことが望ましいといえます.



図2.2 新しいエンジンオイルの注入

 図2.2はオイルの排出されたエンジンに新しいエンジンオイルを注入している様子です.

この型式のエンジンはオイルのドレンがないため,注入口から給排出することになります.



図2.3 キャブレータ入口の点検

 図2.3はエアフィルタを取り外し,キャブレータ入口を点検している様子です.

フィルタによりゴミが完全に除去されているため,内部は非常に良好な状態を維持していました.



図2.4 エンジンに取り付けられた清掃済みのエアフィルタ

 図2.4は清掃したエアフィルタをエンジンに取り付けた様子です.

刈り取った草が枯れたものや,細かいゴミ等は吸気側に付着していただけで,裏面は比較的綺麗な状態でした.



図2.5 点検整備の完了した草刈り機

 図2.5は点検整備の完了した草刈り機の様子です.

基本的な部位をリフレッシュすることにより,これからも存分に草を刈り取ることができます.



【考察】

 環境問題やエンジンの技術革新等により,

農機具や一般のエンジン工具はかつて主流の2サイクルから4サイクルに移行しました.

刈払機(草刈り機)も同様で,4サイクルエンジン搭載モデルが主流になっています.

特に4サイクルエンジンに切り替わったことにより,2サイクルのそれに比べ,

振動の少なさや,始動の確実性あるいは供給するのがガソリンだけであるという点から,

ついつい長期間使用しがちですが,やはりそれなりの時間数を稼働させた場合は各部の点検整備が必要になります.


 昨今の草刈り機の性能の良さから例え全く整備しなくてもかなりの時間数稼働できるといえますし,

新品価格そのものが数万円程度であることから,万が一エンジン破損に至っても,

修理するより買い換えた方が早い(安い)という逆転現象が考えられますが,

草刈り機も工具の1つととらえれば,やはり常に清潔にしておき,エンジンも長持ちさせたいものです.

もちろん4サイクルエンジンですから,オイル管理をはじめ各部を適切に手入れすれば,

長年雑草を刈り取ってくれる心強い味方になるでしょう.


 一度カマを使って手作業で草刈りをやれば分かりますが,エンジン機具に慣れると,もう2度と戻れません.

戻れないのです.





Copyright © MEGA-speed. All rights reserved.