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事例:E‐41
エアクリーナスポンジの劣化について


【整備車両】

 
GSX400RGK71B) GSX-R 1型  年式1984年  参考走行距離:16,400km


【不具合の状態】

 
エアクリーナボックス内部のスポンジフィルターが劣化していて十分な空気のろ過能力が得られない状態でした。


【点検結果】

 法定定期点検項目の一つである“エアクリーナエレメントの状態”を点検したところ、

全体的に台座に沈み込んでいて、スポンジに張りがなくなっていました。




図1.1 劣化したエアフィルタースポンジ

 図1.1は劣化したエアクリーナスポンジの様子です。

指で容易に掬える程材質が劣化していていわゆる“ムース”や“少し硬いクリーム”の様な状態になっていました。

これにより湿式としてのオイルの保持能力や空気のろ過能力が著しく低下していると同時に、

近い将来千切れてエンジン内部に吸い込まれる可能性があると判断しました。


【整備内容】

 スポンジフィルターは迅速に新品に交換される必要がある為、

古いスポンジを可能な限り残さず、且つエンジン内部に破片を吸い込まれない様に
除去することから整備を行いました




図2.1 劣化したスポンジの除去

 図2.1はスポンジを吸引機で除去している様子です。

手でつかんでも、つかんだ部分のみ千切れてしまう程材質がボロボロになっていました。

物理的に接触するとその部分のみ崩れてしまい、

細かく散らばってキャブレータやエンジン内部への侵入につながる可能性がある為、

非接触方法が望ましいと判断し負圧をかけることにしました。

図2.1の様に右端から負圧をかけたところ、容易に吸い込めるくらいにスポンジの組織結合力は低下していました。



図2.2 エアクリーナボックス及び台座等の点検清掃

 図2.2は劣化していた古いスポンジをすべて除去し、エアクリーナボックスの状態を点検するとともに、

周囲に付着していた油分を取り除いている様子です。

すでに樹脂製品であるボックス等も30年近くの経年がありますが、

スポンジの台座である金網やボックスに目立つ損傷や破損、劣化等は見られず、

強度も十分に保持していると判断して部品の再使用を決めました。



図2.3 エアクリーナボックスに取り付けられた新品のスポンジフィルター

 図2.3はエアクリーナボックスに新品のスポンジフィルターを取り付けた様子です。

全体的に張りや厚みがあり、十分な空気のろ過性能も期待できます。


【考察】

 古い中古車を購入された直後にメガスピードにて定期点検を承った車両には、

エアクリーナのスポンジがボロボロになっているものが少なくなく、

中には空っぽになっているものもあります。

空っぽになっているものは、新車発売から現在までの過程でフィルターが抜き取られてしまったものや、

紛失してしまった可能性のあるものも存在します。

この事例の様に指で触れただけで掬えてしまう程スポンジが劣化しているものもあり、

場合によっては半分くらいしか残っていないものも見受けられます。

エアクリーナボックスはほぼ密室であるので、なくなってしまった分のスポンジは、

劣化してボロボロになっていた為にエンジン内部に吸い込まれて姿を消したものだと推測できます。

市販車を公道走行で長く使用する場合は、

エアクリーナが機能していないと粉塵や埃、小さなゴミ等がエンジン内部に入り込み、

金属摺動面を損傷させたり様々な不具合の発生原因になります。

やはりこの事例の様にエアクリーナボックス内部のろ過素材がスポンジベースの場合は、

走行距離はもとより、経年を考えて定期的に交換されることが必要であるといえます。





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