トップページ故障や不具合の修理事例【二輪自動車】 電装関係の故障、不具合、定期点検、一般修理の事例 (事例:21~22)


事例:D‐22

バルブの異常発熱による番号灯の変形について


【整備車両】

 RG400EW (HK31A) RG400Γ(ガンマ) Ⅰ型  年式:1986年  (参考)走行距離:約28,500km


【不具合の状態】

 番号灯上部が歪んでいました.またレンズが曇っていました.


【点検結果】

 この車両はお客様が業者から現状販売で入手されたものをメガスピードにて点検整備したものです.

リヤ廻りを点検していたところ,番号灯上部中央が歪んでいることが分かりました.



図1.1 歪みの発生している番号灯

 図1.1は歪んでいる番号灯の様子です.

レンズが曇っているだけでなく,上部中央が落ち込む様に変形していることが分かります.



図1.2 歪みの発生している番号灯上部

 図1.2は番号灯を上から見た様子です.

変形,へこみと同時に空気の気泡の様なものが発生していることが分かります.

歪み位置からおそらくバルブの異常発熱が原因で樹脂が変形したものであると推測されます.



【整備内容】

 樹脂が加熱されて変形する程バルブが高温になる原因として,

レギュレータの過充電による高電圧が原因である場合があります.

しかし今回の事例では電圧に大きな異常は見受けられませんでした.

したがって,切れていたバルブを新品に交換し,ランプカバーを新品に交換して経過を観察することにしました.



図2.1 車体に取り付けられた新品の番号灯

 図2.1は新品のバルブに交換し,新品の番号等を取り付けた様子です.

バルブを新品に交換し,カバーする前に点灯状況を確認しました.



図2.2 試運転後も正常に点灯している番号灯

 図2.2は試運転後に確認した番号灯の様子です.

実際に100km以上走行して再度点検したところ,まったく異常が見られなかったことから,

作動に問題ないと判断し,整備を完了しました.



【考察】

 今回の事例では番号灯のバルブにかかる電源電圧に異常はなく,

実際に100kmという長距離を走行しても問題はありませんでした.

このことから,かつて充電電圧異常による発熱等でカバーが変形したのちにレギュレータが交換されたか,

歪んだカバーを何らかの原因で取り付けることになったかのどちらかが考えられます.

充電異常時にカバーが歪み,充電系統は修理されたもののカバーはそのままにされた,あるいは,

モラルのない業者が仕入れ時に破損していたカバーの修理として,

歪んだカバーをその場しのぎで取り付けた可能性も否定はできません.

また別の熱源により歪んでしまったおそれもあります.

いづれにしろメガスピードにて正常に戻された為,

公道でも保安基準に適合したかたちで走行することができるようになりました.


 番号灯については保安基準第3節第205条(3)で“灯器が損傷し,又はレンズ面が著しく汚損しているものでないもの”

と定められています.したがって今回の事例では捉え方によってはこれに抵触する可能性がある為,整備を実施しました.


 古い車両は樹脂部品,特にウインカーやランプ類は転倒により破損している場合が少なくなく,

そのままの状態で販売されているケースも見受けられます.

中にはウインカーが付け根から折れてぶら下がっているままの車両が販売されている姿も目にすることがあります.

やはり公道を走行する場合は保安基準に適合している必要があり,

その為にも中古の車両を入手された場合は,運行前に包括的に整備されることが望ましいとえいます.


 メガスピードでは随時修理や整備を承っております.

他店で購入されたものでも一切ご遠慮なくお申し付け下さい.

可能な限り力添えさせていただけるよう日々研鑚を積んでまいります.





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