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事例:S-98

チューブタイヤの交換とリムバンドについて

【整備車両】 
 LS650 (NP41A) Savage  年式:1986年  参考走行距離:約27,700 km
【不具合の状態】 
 リヤタイヤのサイドウォールに亀裂が発生していました.
【点検結果】 
 この車両は半年前に他店でお客様が購入されたものです.メガスピードで改めて法定2年定期点検を実施したところ,燃料コック負圧ホースの不具合
※1 等がありましたが,今回の事例ではその際にお客様からご依頼を承ったリヤタイヤの交換について記載します.

図1.1 亀裂の発生しているサイドウォール
 図1.1はサイドウォールに亀裂の発生しているリヤタイヤの様子です.タイヤの溝の深さはまだ十分でしたが,製造から7年程度経過している為,劣化により亀裂が発生したと推測されます.タイヤそのものはチューブが入っている為,仮に破損しても急なエア漏れ等は発生しませんが,グリップ力の低下などを考慮すれば交換すべき状態であると言えます.

図1.2 錆の付着しているリムバンド
 図1.2はタイヤおよびチューブを取り外してリムバンドを点検している様子です.バンドにスポークねじの錆が付着しているだけでなく,材質そのものも劣化によると見られる硬化が発生していました.


【整備内容】
 
リヤタイヤ,チューブ,リムバンドの3点をセットで交換しました.

図2.1 新品のリムバンド
 図2.1は新品のリムバンドの様子です.取り外した古いものと比較すれば明らかなことですが,新品はゴムに柔軟性があり確実にリムに密着することが可能です.

図2.2 新品のリヤタイヤ廻り
 図2.2は新品に交換してバランス調整されたリヤタイヤを車体に取り付けた様子です.古いタイヤと比較すると,新品は粘りがあります.トレッド部を実際に手で触れてみれば,硬化した古いものとは比較にならないような“しなやかさ”があることが分かります.


【考察】 
 チューブ式のタイヤについては,チューブがある為に相当すり減ってもパンクする可能性は低く,ついつい長く使用しがちです.しかし実際にはトレッド部を含めて全体が劣化していく為,交換してから5年も経過していれば,例え溝の残りが十分あってもグリップ力は大きく低下している場合が少なくありません.特にこのモデルのようにシリンダー1つで600cc程度の排気量があるのであれば,ロスなく路面にトルクを伝達する為にもタイヤは常に最良の状態にしておきたいものです.
 またチューブタイヤの場合,チューブとタイヤを交換するのであれば,それに1点プラスしてリムバンドも同時に交換しておくことが望ましいと言えます.


※1 燃料コック負圧ホースの潰れと亀裂の発生について





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